旅人のお食事事情


Let's go to the pub

【お惣菜屋さん編】


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一人旅が多い私はその日の気分によっては
お宿に戻ってテイクアウトしたお夕食を楽しみにすることもあります 

それは翌日の出発が早かったり、
お宿の部屋の居心地が良くてゆったりと過ごしたいと思ったときや
一人でパブやレストランへ行く元気がなかったり・・・・

様々ですが
日々の生活の中でも
ほんの時たま夜をのんびりと過ごしたい時など
デパートの地下食料品売場で
お惣菜とビールを買って
シャワー後にテレビを観ながらだらだらすることも気持ちのよいものです
まるで“自宅での仕事の後・・”って感じで・・


私が旅をし始めた80年代後半はまだまだ
英国内ではロンドンでも週末はどんなお店も閉まってしまって
旅する者にとっては文字通り死活問題だった食事は
ヴィクトリア駅のような大きな駅構内にあるサンドイッチ屋さんくらいしかなく
数日前に買ったリンゴや食べ切れなかったプラムをかじるくらい・・・

まだ、ハロッズなどのデパートの地下へ行って
お惣菜を買おう!なんて発想が浮かばなかった頃でした

しかし、英国やヨーロッパの国々へ訪れる度に
スーパーマーケットの数は増え、
その営業時間は長くなり、
家庭で作るインスタント食品ではなく
『お惣菜』の種類も本当に増えました

たんなるサンドイッチではなく
今では私達の国が誇る(と、私は常々思う)
『おにぎり』もマークス&スペンサーで目にすることも
めずらしくはなくなりました
時たまにぎり寿司らしき(?)パックもお目見えです







確かにスーパーマーケットでのお惣菜選びも私は好きです 

ハロッズやハービーニコルズ、セルフリッジのデパ地下も大好き 




スタンドでも簡単にいただけるフードコーナーでは人気のお寿司




して、訪れる度に嬉しくなるのは
公共交通機関での移動がほとんどの私は
ロンドンの地下鉄はもう1日数え切れないほど利用しています

主要な乗り換えの多い地下鉄駅には
驚くほどのショップが増えてきています

おまけに日本でも私の「1押し!」のパン屋さん
ビゴさんも大好きだし、表参道のドンクの焼きたてバゲットも
Kinokuniyaのドイツパン・・とハード系をこよやく愛している・・・
その中でのNo.1は
おフランスはパリではよく見かけるPaulのアンシャンフルート

バゲットより更に細い横笛のフルートのように見えるので
そのような呼び名になりました

しかし、バゲットのように中はしっかりと気泡も入り
もちっとして
外皮はパリっとした塩気も丁度良い風味を出しています





こういうバスケットって見ているだけで幸せ


paul


ロンドンのコベントガーデン近くに出来た第1号店から
すでに地下鉄構内にも進出してきた本場パリからのPaul(ポール)
ハード系のバゲット、クロワッサン、ブリオッシュのサンドイッチは絶品です
お値段も日本とほぼ同じくらいからレートの問題でちょっと高め?
£2.50〜

デザートにもお薦めなのが「パン・ぺルジュ」や「パルミエ」


パン・ぺルジュはバゲットのフレンチトーストのように卵とミルクに浸し、
メープルシロップをたっぷりと染み込ませたバゲットのお残りを利用したお菓子
パルミエは大きなハートの形でくるっとパイ生地を巻き込んでいるので
雰囲気は丸い大きなうなぎパイのようでありながら
その存在はしっかりとあるお菓子

どちらも甘すぎず、焼き菓子の大好きな私が必ず求める1品です



下のお店はそのパン屋Paulのお隣にあったお惣菜屋さん
オリーブや薄切りハム各種、様々なソーセージ、マリネやサラダ
ちょっとづつ買ってお隣でバゲット1本抱え
お宿に帰って自分風のサンドイッチを作ることも楽しい 




地下鉄構内のお惣菜屋さん



移動での途中にちょっと気づいたら
こんなお店も覗きつつ・・・・

ちょっとお買い物してお宿へ戻るのもロンドンでの生活しているみたいです







数年前から英国を襲った最も大きなニュースの一つ
狂牛病や様々な食品に関するショッキングな出来事は
私達にとっても“よその国の出来事”ではなく
最も身近な関心ごととして日々気に掛かる事柄の一つになりました

そんなことから元々自然が大好きな人々の国
自ずと“バイオ”や“ベジタリアン”など私達の体にとって
最も良いとされるものに
人々の関心が集まったのは言うまでもありません

マーケットでは天然酵母のパンも
今ではおなじみになりました



マーケットの天然酵母パン屋さん
ハード系が多くちょっぴり他のパン屋さんより割高ですが
丸々1個でなくとも半分にカットもしてくれます






加えてここ数年前からのロンドンの食文化は
すでに世界中の注目のまと


単なるお惣菜屋さんではない
元々注目レストランのシェフでもあった方が
敢えて「お惣菜屋」さんへ転機しためずらしいお店をご紹介します



それはロンドンのレストラン業界の関係者をビックリさせたことは言うまでもなく
逆に我々旅行者にとっては敷居の高いレストランから
ちょっと覗きがてら・・・
散歩がてら・・・気軽にちょこっとつまめるものや
しっかりとしたお食事を手に入れられる

そして、限られた時間の中での食事を
より一層美味しいものを求めることができるようになった
嬉しい出来事でもありました














 〜 ロンドン 〜



『Tavola』

惣菜屋はテーブルのないレストラン




80年代のロンドンは正しく“食のルネッサンス”と証される時代でもありました

その当時代表するシェフは・・?と聞かれれば
ほとんどの口から聞かれたその名は

アリステア・リトル
( Alastair・Little )



alastair little
ポートレートギャラリーより



それまでの英国料理はそのお味もさることながら
単調と称されていた長い時代がありました

しかし、そんな定説を破ったシェフの一人であった彼は
元々様々な国の料理が混在したロンドンで
イタリアン、エスニック、和食を積極的に取り入れ、
独自のインスピレーションでモダン・ブリティッシュを提唱したシェフでもありました

SOHOで予約を取るのことすら3ヶ月待たなければならない・・と言われるほどのレストランから
5年間前から一切の手を引き
(これについては彼の生活環境によるものとも言われていますが・・・)
ポートベローマーケットから程近いおしゃれな通りに
このデリを構えた当初から
人々の注目を集めたことは火を見るより明らか

あっと言う間にロンドン中でも評判のデリになりました 









【Tavola】

オーガニック無農薬野菜中心の御惣菜
シンプル・イズ・ベスト



行き方 :    地下鉄サークル (Circle)線、またはディストリクト(District)線、
 セントラル(Central)線
 ノッティングヒルゲート(Notting Hill Gate)駅
 徒歩約10分

 バスは23番・27番・70番下車
  *ミセス・ハリガン宅からバスで向かう場合はちょっと遠回りですが
   24番からCamden Town行きに乗って終点まで
   そのCamden Town Safe Way前から出ている27番バスに乗り換えて
   Westbourne Grove 通りで下車
   (但し、まだ私も上記のバス利用はしていないので次回試してみます)

住所 :  155 Westbourne Grove W11 2RS
  Tel : 020-7229-0571
営業時間 :   10:00〜19:30 (月〜金) 09:30〜17:30 (土) 日休




ノッティングヒルゲート付近

Tavola

ポートベローマーケット ノッティングヒルゲート駅へ



地下鉄で向かうなら
ノッティングヒルゲート駅からポートベローマーケットの看板を進んで行くうちに
大きなバス通りにでます

その通りの名が
Westbourne groveです

その通りを右手に曲がって通りを約5分ほど進みます

すると、カラフルな色の商店街が並ぶ控えめなイエローの外壁が

Tavola



Tavolaの外観
お客がひっきりなしに出入りする正面の外観



道行く人々に甘いロールパンやパイがお行儀よく並んでいて
ウィンドウ越しに見ることができるので
ついつい足を止めざるを得ません



ウィンドーを覗く奥様



明るいイエローと窓枠の落ちついた銅色の赤がとても映え
中の御惣菜たちがひっそりと覗けます



そして、間口一軒ほどの入り口から中へ入ると
下の写真のような光景が広がります



入り口から店内
入り口から店内を望む





Tavolaの料理は全て日替わりで、
嬉しい野菜中心の食べ物がほとんどを占めています

そして、その野菜たちは生産地重視の
オーガニックで無農薬野菜を使うことで
更に体にとってもやさしい食べ物ばかり


まっすぐに延びた間口にも使われている同じ濃い赤の長いテーブルに
作りたてのつやつやした御惣菜が並べられています


その手前にはちょっとしたギフトにも
自分の楽しみにもなる
チョコレートやキャンディーの可愛らしい包み

レジの前にあるのでついつい手が延びてしまいそうです


奥へ進むにつれて
緑のオリーブや黒のオリーブ、赤いトマト、
ブロードビーンズとハーブのサラダ

レモンとハーブのチキンローストや
10cmx15cmくらいが一区切りになっている
パリパリ生地のマルガリータピザ
そのピザにもルッコラが色鮮やかにのっています


tavolaのお惣菜


春先でしたから赤ちゃんのこぶしくらいの小さな新おじゃがのサラダ
緑鮮やかな青菜の和えたサラダ
ローズマリーとズッキーニで和えたローストチキン、
ハーブがたっぷりと入ったイタリアパン
いわし(のような青魚)のマリネ

テーブルの下にある大中小のパックにグラム売りで測ってくれます

テーブルを囲む店内の壁には
ひよこ豆やおたふく豆など、
様々な乾燥ハーブなどの壜詰め、
テーブルウェアやキッチンツールなどがところ狭しと並んでいます

本当に見ているだけで楽しいおもちゃ箱のような店内です



そして、突き当たりのガラスケースには
英国誇る数多くのチーズ類


           




ガラスケースのチーズ


その日のお薦めはスタッフに尋ねると気持ちよく教えてくれます

そして、入り口近くにある種類はそう多くはありませんが
ハード系の小さめのバゲットやブール

私は嬉しくなってここでの御惣菜をちょっぴり求めて
ミセス・ハリガンのお部屋でのんびりしたのは言うまでもありませんでした



ミセス・ハリガン宅でTavolaのお惣菜
ハーブたっぷりのイタリアパン、新じゃがのサラダ、
カスタードクリームとアップルジャム入りパイ

お部屋でのお茶
機内でいただいた赤ワイン


至福の時間でございました

















【おまけ】


このTavolaのある通りは
毎週土曜日に開催されている
規模の大きいアンティークマーケットとしても有名な
ポートベロー・マーケットと一緒に伺うことも可能です

しかし、「マーケット」というのは戦略的にも朝早く出撃するのがお薦め

そうなると昼食よりも夕食にお薦めしたいお惣菜さんでのお買い物には
ちょっと不向き・・・

しかし、以前の人気の映画でこの界隈が有名になった発端の
“ノッティングヒルの恋人”の街としても
ちょっとそぞろ歩きするには最適の街



ノッティングヒルの恋人


映画の縁の場所を辿るには下記のサイトページからのご案内を・・

ノッティングヒルの恋人


私自身もまだ見ていないので・・・
いらっしゃった方のお便りをお待ちしています






そして、このTavolaのある通りWestbourne groveには
今のロンドン注目のShopがあります




『Tae Plalace』


昨年オープンしたばかりで早くもこちらのアフタヌーン・ティーは
評判を呼んでいます

インドやスリランカなどから直輸入された茶葉を始め
契約農家から仕入れたオーガニックティーなど約160種の茶葉を扱います

隣接したティールームでは全種類のお茶をいただくことができます

そして、こちらでは下記のような時間帯でそれぞれお茶、お食事も楽しめます


住所 :   175Westbourne grove W11 2SB
 Tel : 020-7727-2600
Teashop :  10:00〜19:00 (月〜日)
Lunch&Brunch :  12:00〜15:00 (月〜金)
 10:00〜15:00 (土・日)
Afternoon Tea :  15:00〜17:30 (月〜日)

Tea Palace - It's time for tea


tea palace
手前の角がティールームでお隣がショップです


スタッフに現在人気のお茶は?と伺ったらなんと!日本の番茶でした・・・


Tea Palaceの番茶



    





そして、この通りにはカフェやティールームがいくつもあり
覗きながらお散歩するのも楽しい通りです

通り沿いのテーブルで
一人新聞を読みながらお茶していた男性の足元の子が可愛くて
ついつい写真撮らせてーと声をかけたら
一生懸命やんちゃ坊主を座らせようとしたお兄さん
Many many Thanks !!

カフェのテーブルにて1  やんちゃ坊主  やんちゃ坊主2
“この子は生まれてまだたったの2ヶ月だから、お散歩もあまり遠くへは行けないんだ”
休日のひと時をお邪魔してごめんなさい
写真を撮らせてくれて、どうもありがとう





      




同じ通り沿いにはもう一つ
ウィンドーショッピングのようにぶらぶらして
ついふらふらと入ってしまったティールーム






こちらでは大きなパルミエを買いました



ティールームに並ぶケーキ  英国版アメリ  ティールームのクッキー
このケーキテーブルの奥がティールームになっていました
そして、「英国版アメリ」のような可愛い店員さん
彼女の後ろの棚は見ているだけで楽しいキャンディーやボックスチョコ



ティールームのドア

ガラス越しに見えるお菓子たちはみんな美味しそうで
このドアを開けたらチィールームのざわめきや
ヴァニラの香りがふわあ〜と取り囲まれて
ついついどれも買って帰りたくなってしまいました









観光中にのんびりぶらぶらとするには
お薦めの界隈です
















旅の中でのお宿でのテイクアウェイのお夕食は
お宿によっては“お部屋でいただくのはちょっと・・”というお宅もあります
ホテルでしたら問題ないと思いますが、
B&Bの場合は予めホストに確認した方が宜しいでしょう

英国に住む方々の普段の生活振りを垣間見ることのできる
お惣菜のお食事はちょっぴり好奇心をくすぐる方法だと思います

様々なお食事にチャレンジしてみましょう!!









どうぞ、このページに関するお問い合わせやご意見をお待ち申し上げております





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